究極のリハビリ

究極のリハビリ・・・・。


それは、突然のメールからはじまりました。

「酒蔵のやっている予約制の居酒屋さんに行きませんか。」


入院中の父からでした。



まあ、そんな気持ちがあるだけたいしたものだと思い、

「いいですね。楽しみです。」

と姉妹それぞれがメール。


すると夕方には予約が完了していました。

「気になるかたはネットで！」

久し振りに張り切った父の様子に、
こちらもちょっと嬉しくなりました。


父にしてみれば、
東京と関西を往復する娘達へのプレゼントというところでしょうか。

さてさて。

ネットで検索してみると・・・・。


www.sakahan.com/←ココなんですけれどね・・・。



どうやって車椅子でいくつもりなんだ。

しかし、「無理だよ」とは言えない私・・・。
まさか、歩くつもりとか？
いくらなんでもおんぶは無理だなあ、なんてことを思いながら・・・・。



とうとう当日がやってきました。





電車を乗り継ぐと、そこはのどかな風景。

深呼吸をすると、新鮮な空気にこころが洗われます。

姉妹で車椅子を押しながら、歩くこと約１０分で到着。


父がポツリとひと言。

「実はさあ、電話してから、そういえばあそこは階段が多かったなって思ったんだよ・・・。」

私は、てっきりこの2週間のリハビリで、

よほどの自信がついたのかと思いましたよ。


それを聞いてゲラゲラと笑う父・・・。



まあ、何とかしましょ。

そんなことを思いながら、入り口から砂利道。
すでに車椅子ではお手上げ状態。


「じゃ、歩くか？」

ハイ？今なんておっしゃいました？？


車椅子から立ち上がり、杖を片手に、
ひょこひょこと歩きはじめました・・・・。


多少支えることはありながら、
入り口を入り、急な階段をのぼり・・・・、
お座敷へ到着。


これぞ、究極のリハビリだ。




そんな訳で、無事に会食ははじまり、
嬉しさと安堵感で飲んで、食べて、しゃべるかしまし3姉妹。


まずは、地ビールを注文。
地ビールって、クセがあって苦手なんですが、
ここのビールはすっきりとしていて、喉ごしがよかったです。




ジャガイモのきんちゃく
イカとセロリのレモン風味
平あじとネギ味噌添え





全部味がついていてこのまま食べられるんです。

しかも新鮮。

あじについている味噌が最高においしかったです。
白髪ネギとこのお味噌だけで飲めてしまいそう。



ここで、「純米吟醸　利休梅」を注文。

きりっとして、すっきりとした喉越しながら、
濃い目の味のお酒でした。




竹の子の酒粕漬け






これは、コースとは別オーダー。

お土産に、とあったんですが、品切れでした。残念。

これまた、新鮮で不思議な味なんですが、
酒粕がほんのりと甘くて、酒粕のにおいと言うよりも、
あまいお酒の上品なにおいがしました。


「これだけで何時間も飲めそうだ」

そういって、
お酒を運んできたお姉さんに笑われたのは、・・・・私です。




海鮮ソーメン　コチュジャン仕込みつゆ
マグロたたき　大えび添え






もう、この辺で写真をとるのが面倒になってきちゃって、
あとは、あんまりいい写真が残ってないんです・・・。

このおそうめん、
家では食べられない味で、おいしかったです。

意外な組み合わせなんですが、意外なおいしさです。





利き酒セット





この後、古酒の利き酒セットを頼んだら、
かなり濃い味でクセがあるので、「お試しセット」と言うのを勧められて飲みました。


このあと・・・・

豆腐の彩り鉄板焼きといって、
豆腐に山芋がかかっていて焼いたもの、たことこんにゃくとキムチと野菜がのったものや、
あぶりさよりご飯といって、おだしの聞いたお茶漬けが・・・・


もうお腹一杯になりました。

冬はお鍋などもあって、
お料理も変わって行くそうです。



帰りも何ということはなく、階段をおり、
入り口まで歩きました。



「究極のリハビリ」。


気力は、薬ではみなぎらないし、
お金でも買えません。

ありがたいと思わなくちゃな、
そんなことを思いながら、帰りの山道をあるきました。