幸福の木

まだ母が元気だった頃…





そんな名前の木が、

商店街の花屋さんの片隅で、

一鉢だけ破格に安い値段で売られていました。

どうみても、

幸福の、というよりも

反対の言葉が似合いそうなその木を、



「水をやるだけで大きくなるから」



と半ば強引に買ってくれました。





それから数年。



時々私に忘れ去られて、

何度も生命の危機にさらされながらも、

何とか我が家で生活してきたこの木。





４年ほど前に転居、

つまり親との同居が決まった時に、



荷物は最小限にしなくてはならなくなり、

この木をどうするかが課題になりました。



考えた末に

彼が、
住んでいたマンションの小さな庭に

「がんばれよ～」

と地植えにしてきました。





先日、

久しぶりに彼と

そのマンションの近くを通り、



あの木を覗きにいってきました。





なんと。



背の高さほどもある巨大な木に成長。



よほど土がよかったのか、

私の育てかたが悪かったのか。





写真もとりました。


今やよそのお庭なので

のせることはできませんが、





青々とみずみずしく光る葉に

なんだか元気を貰いました。





また、頑張ろう、

そう思います。